GOLIGAはエディションの制作と書籍の出版を軸に写真を通した実験的なプロジェクトに取り組んでいます。私たちは写真家と共同制作することで、写真の可能性を広げることを目的に様々なプロジェクトに取り組んでいます。GOLIGAと西野壮平との共同プロジェクト「CITEIS」では、西野の「Diorama Map」を異なる方法で体験いただけます。この企画は様々な都市でのインスタレーション、インスタレーションと連結したウェブサイト、そしてサイトで購入できるエディション作品から成り立ちます。何千枚の写真のコラージュから構成された「Diorama Map」は一つの作品の中でも様々な見方ができます。このようなことから、多面的なプレゼンテーションを着想しました。西野のジオラママップは見れば見るほど、無数の出会いやさまざまな瞬間に溢れています。それらを見ることで作家の人間性や、魅力、ユーモアを楽しむことができるでしょう。
西野は「Diorama Map」制作において、数ヶ月都市に滞在し、様々な角度から都市の撮影を試みます。そこで撮影された何千もの写真は、密集されたイメージによる地図としてまとめられます。自身の経験した旅を再現すべく、撮影した写真一コマずつ入念にコラージュし、地図を制作します。
「CITIES」のライブインスタレーションでは、拡大した「Diorama Map」を10 x 16cmの小さなタイル状のプリントを並べて構成します。参加者はそれらのタイルの中から10枚を選び、ウェブサイトから購入できます。選ばれた10枚のプリントは特別ケースに入れてお送りします。
プリントはそれぞれ一枚のみのユニークプリントで、選ばれたプリントは入手可能セクションより外されます。
西野がコラージュし「Diorama Map」を作り上げることは都市を解体するような作業です。参加者がそれぞれ都市の一部を選び、所有するというインスタレーションは、参加者がそれぞれ都市の一部を所有し、共有することで作品自体が完成することを手伝っています。 また、都市のさまざまな断片の集合体である西野の「Diorama Map」を参加者が一緒に作り上げるような行為でもあり、都市に住む生活者の一人でもあり、都市の一部でもある私たち自身を反映しているともいえます。
プリントにはそれぞれサインが入り、ポスター、撮影の際の記録が綴られたブックレット、サインとエディション番号の入った奥付が含まれます。
AboutSohei Nishino
1982年兵庫県生まれ。大阪芸術大学在学中から記憶をテーマに、都市のアイコンの集積として表現された「Diorama Map」シリーズの制作を始める。以降、一貫して続けられている同シリーズは、すベて自らの足で都市を歩き、モノクロフィルムで撮影された膨大な数の写真を一枚一枚手作業でコラージュするという 手法で制作され、世界中の様々な都市を舞台に制作されている。2005年にキャノン写真新世紀にて優秀賞(南條史生/現森美術館館長)に選出されて以来、国内外での個展や東京都写真美術館やロンドンのSaatchi Galleryをはじめとする様々なグループ展、ニューヨークのICPでのトリエンナーレ等のフェスティバルにて作品を展示し、注目を集めている。2013年度日本写真協会賞、新人賞受賞。オランダの写真雑誌『Foam Magazine』が選ぶFoam Talent Call 2013の写真家の一人として選出される。
AboutGoliga
アイヴァン・ヴァルタニアンにより2000年に設立。日本の写真家を扱ったエディションの制作、写真集の制作、出版から、パフォーマンス、展覧会、インスタレーションの企画など様々な活動を行う。最近のエディションには横田大輔「UNTITLED」、川内倫子「Approaching Whiteness」、や森山大道「Accident」がある。企画したパフォーマンスにはAperture FoundationとTate Modernで開催された森山大道「PRINTING SHOW」がある。
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